郷土博物館 まずここを訪れて、文士村に在住されていた方々の概略などを掴んでから、 自分の目的地を決めると、歩きやすいかと思います。 それから絶対忘れてならないのは、ここの受付で「文士村散策マップ」を貰うことです。 馬込の詳細地図に、旧宅後や解説版の位置や見所スポット等が書かれている地図で、 これがないとかなり迷ってしまいますよ。 ← これは川端康成氏の実筆 |
尾崎士郎 氏 解説板に書かれていることをご紹介してしまうと、 皆さんが訪れる時の楽しみがなくなってしまいますので、そんな無粋な真似はよしますね。。。 どうやらこの方が、この文士村開村者みたいです。 |
宇野千代 氏 俄かに信じ難い話ではありますが、この方が馬込に越された時は、 辺り一面畑で、もの凄い田舎だったらしいのです。 しかし、私の姉にそれを話たところで、「馬鹿」扱いされる程、 現在のお屋敷街からは想像出来ませんよね。 |
衣巻省三(きぬまき せいぞう) 氏 詩人と言えば「極貧」、そう相場は決まっているのですが、 どうやらこの方は、トーマス・マンと一緒で、実家が裕福であったばかりに、 文士村唯一の貧乏とは縁のない詩人であったとか、うらやましい話です。 |
三島由紀夫 邸 三島氏、川端氏、の「往復書簡」の中で、三島氏がこんな一説を書いています。 本日、横須賀線の中で、新人賞(そう石原氏は、あの文学界の新人賞から作家になったのです) を取った石原君に会いました」 この時の三島氏は、まさかその石原君が、東京都知事になろうとは思いもしなかったでしょう。 なのにその石原君率いる東京都は、三島氏だけ解説版を設けていないのです。 全くもって不可解なのですが、ご遺族は三島氏の表札をそのまま使っていらっしゃいました。 |
川端康成 氏 実際私が文士村へ行こうと思ったのは、この方にお会いしたったからでありまして、 小説「雨傘」の中では、傘を持って迎えに来る新妻のことを、大森駅で待つ男のことが書かれておりました。 しかし、僅か1年で軽井沢へ移ってしまわれたのですが、仮住まいとは言え、川端氏の家は 三島氏のそれとは随分掛け離れていて、物凄い親近感を湧かせて貰ったと言ったら、怒られてしまいますかね。 |
小説「雪国」の初版本 ノーベル文学賞を獲得された作品が、サイン入りで展示されていました。(郷土博物館) 隣にいらっしゃる女性は何方なのでしょうか??? |
石坂洋次郎 氏 この方、どうやら先見の目があられたのか、作家を諦めて一度郷里に帰るまで、この馬込にいらっしゃって、もう一度作家を目指して上京された時は、今では日本で一番の高級住宅地に住まわれたそうです。 この方達の時代の東京は、一体どんなだったのか、一度見てみたくなりました。 |
萩原朔太郎(はぎわら さくたろう) 氏 確か、小学校の時の教科書に登場していましたよね、今も編集が変わっていなければ、頷いてくれる方もいらっしゃるかしら? 実際、小学生に、この方のような繊細な詩が理解出来ると思っている編集者の思考回路を疑いたいと思うのは、私だけでしょうか? 国語の教科書が、日本人に本離れ(文学は難しい)を誘っているということに、早く気づいて貰いたいものです。 |
馬込文士村 解説板に書かれていることをちょっとだけご紹介しましょう。 「大森駅前の高台は、都市近郊の別荘地。一方馬込は、雑木林と大根畑が広がる一帯。大根畑の中心に移り住んだのが、尾崎夫妻。その後関東大震災で、東京近郊に移り住む人が増え始め、現在の住宅地へと変わっていった。」 |
文士レリーフ 尾崎夫妻を中心にして、画家たちグループ、作家グループ、女流グループと微妙に分かれて配置されているのですが。。。やはり、三島氏はいらっしゃらないです。 |
大森駅(大正当時) 川端氏が小説に書いたのは、こんな情景の中のことだったのでしょうか?そう考えると、カメラを持つ手が震える程の興奮を憶えてしまいました。 |
尾崎夫妻とその家での交流風景 マージャン、ダンスホール、モダンボーイ、モダンガール、そんなレトロな言葉が連なっておりました。 こんな風に美しくレリーフ化されていると、どんな世界だったのか覗きたくなりますよね。。。 |
室伏高信(むろぶせ こうしん) 氏 小説家・評論家、見習いの青年を多数抱えていらしたとか、当時は弟子入りから作家になれたのですよね。 ということは、チャンスを逃すことはなかったということで、羨ましい限りです。 |
室生犀星(むろう さいせい) 氏 詩人・小説家、郷土資料館にこの方の写真が大変多く展示されていたのですが、 子供や犬と一緒に居る姿ばかりで、堅物ではなかったみたいです。 それでも、当時の小説家は作家の仕事しかしなかったのに、なんとか生活出来たのですよね、現在そのような人は ほんの一握りだけなのに、、、しみじみ羨ましく思いました。 |
藤浦洸(ふじうら こう) 氏 詩人、解説板に書かれている内容で、この方のが一番「へぇ〜」と思った気がします。 お陰で、一緒に居た友人たちとの会話もその話題で当分盛り上がらせて頂きました。 |
榊山潤(さかきやま じゅん) 氏 小説家、「馬込文士村」という小説を執筆されたそうです。。。読んでみたい!!! |
今井達夫(いまい たつお) 氏 小説家、この方は最初に会った方に、相性判断テストなるものをひそかにやられていたらしいです。 なんか、繊細で小説家らしいですよね。 |
三好達治(みよし たつじ) 氏 詩人・翻訳家、この方の経歴は凄かったですよ。。。特に私の友人などは何度も「へぇ〜」を連発しておりました。 |
添田さつき(そえだ) 氏 作詞家、レコードなるものが出始めた頃、作詞家の仕事も唱歌から流行歌へと変わったのでしょうか? 今も昔も、スタイルこそ変わったとしてもやっていることは依然として変わらない、そんな可笑しなことに気着かされました。 |
北原白秋(きたはら はくしゅう) 氏 かの「芥川龍之介氏」が、この方の屋敷を見て、城と称したらしいです。馬込の高台に位置した緑色の壁と赤い煙突の 御殿は、郷土資料館の写真でしか拝めませんでしたが、今は直ぐ裏に新幹線の高架が貫き、小さな3階建ての家が密集し、 そんな光景を見た後では、哀愁さえ漂っていました。 |
山本周五郎(やまもと しゅうごろう) 氏 小説家、馬込文士村で最も小説家らしい(伊早坂先生みたいな)小説家だったみたいです。 |
小林古径(こばやし こけい) 氏 日本画家、凄いです、MS-IMEで「こけい」と入れると2番目にこの方のお名前が出てきます! |
熊谷恒子(くまがい つねこ) 氏 書家、この方の旧宅が記念館になっておりまして、書を拝見しながら古の家の面影も見学でき、 なかなか良かったですよ。。。(但し、期間限定公開) 私たちなどは2階ですっかりくつろいでしまい、「そろそろ閉館しますよ」と声を掛けられるまで居座ってしまいました。 |
夢窓 万華 そのお二階で、書を記念に書いてみませんか。。。とお道具が用意されていたので、つい、、、 記念印まで押して頂き、ご利益方々掲載してみました(恥) |
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